革製品は、植物タンニンで鞣された天然皮革を使用しており、時を重ねるごとに美しい経年変化を見せてくれます。
その風合いを長く楽しむためには、定期的かつ適切なお手入れが欠かせません。
1. 初めて使う前に:プレコンディショニング(事前ケア)
なぜ必要なのか:
多くのレザーは人工的なコーティングを施していないため、使い始めの段階では汚れ・乾燥・水染みなどの影響を受けやすい状態です。 最初にケアしておくことで、革の表面に保護膜を作り、変化に強い状態をつくることができます。
ケア方法:
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革全体に円を描くようにやさしく塗り広げてください。 |
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そのまま自然に浸透させてください。 |
▼ワンポイントアドバイス:
まずは底面やフラップの内側など、目立たない部分で試してみてください。
植物タンニンなめし革は、塗布により少し色が濃くなるのが一般的です。
▼仕上がりの目安:
・ほんのりと色味が深まり、自然なツヤが出ます
・水への耐性もわずかに向上します
2. 日々のお手入れ:軽いクリーニング
なぜ必要なのか:
革の表面に付着したホコリや細かな粒子は、時間とともにツヤを失わせたり、表面を傷つける原因になることがあります。
ケア方法:
- 柔らかい馬毛ブラシや乾いたマイクロファイバークロスを使って、使用後にホコリをやさしく払います。
- 頻繁に使うバッグは週に1回程度、縫い目や角の部分に汚れが溜まらないよう拭き取りましょう。
- 注意:ウェットティッシュやアルコール系スプレー、ベビー用おしりふきなどは使用しないでください。
これらには革の仕上げを傷める可能性のある化学成分が含まれています。
3.月1〜2回のお手入れ:オイルケア
なぜ必要なのか:
革は自然に乾燥していくため、特に乾燥した気候やエアコンの効いた室内ではひび割れの原因になります。
定期的に油分を補うことで、革の柔らかさと美しさを保つことができます。
Steps:
- ホコリを払う: オイルを塗る前に、必ず革の表面をきれいにしておきます。
- オイルまたはコンディショナーを塗る:少量を薄く伸ばすのがポイント。特に曲がりやすい部分(例:持ち手やストラップの付け根など)を中心に。
- 浸透させる: 日陰の風通しの良い場所で数時間〜一晩置き、自然に浸透させます。
- 乾拭きで仕上げ:しっかり吸収された後、乾いた柔らかい布で軽く磨くと、自然なツヤが戻ります。
お手入れの目安:乾燥した季節・環境では1〜2ヶ月に1回、湿気の多い時期はさらに間隔を空けて大丈夫です。
4. 革が濡れてしまったときの対処法
早めの対応が大切です。
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絶対に避けてください:
・ドライヤーやヒーター、直射日光で乾かすこと
・エアコンや除湿機の吹き出し口付近で乾かすこと
これらは革の油分を奪い、ひび割れや硬化の原因になります。
5. 傷や汚れがついたときの対処法
軽いひっかき傷:
- 指先や湿らせた布でやさしくこすると、手の油分でなじみやすくなります。
表面の軽い汚れや薄いシミ:
- 白くて柔らかい消しゴムで軽くこすります。色付きの消しゴムは跡が残る可能性があるため避けてください。
深いシミ:
- 天然皮革の場合、完全に取り除くのは難しいです。
水や油のシミであれば、以下の方法がおすすめです:- バッグ全体にごく薄くオイルを塗布して、色味のバランスを整えます.
- 時間とともにパティーナ(艶やかな経年変化)が進み、シミが目立たなくなります
6. 保管時の注意点
なぜ必要なのか:
保管方法が適切でないと、カビや変形、乾燥の原因になります。
ベストな保管方法:
- 通気性のよい、乾燥した場所に保管する
- 密閉されたビニール袋や湿気のある収納棚は避ける
- 通気性のある布袋やコットン素材で包む
- 形崩れ防止のため、中に新聞紙や布を詰めておく
- 革製品の上に重い物を乗せない
7. イタリアンレザー製品(例:Organシリーズ)について
これらの製品には、油分を豊富に含んだイタリアンレザーが使用されており、使用初期のコンディショニングは不要です。
過度なオイルケアは、黒ずみや柔らかくなりすぎる原因となるためご注意ください。
- 普段は乾いた布で拭くだけで大丈夫です
- 長期間使用して革が明らかに乾いてきたときのみ、軽くオイルを補ってください
8. アルコールにご注意ください
なぜ注意が必要なのか:
アルコール(手指消毒用ジェルやスプレーなど)には、革本来の染料を落とす作用があります。
アルコールによって:
- 加工された革であっても、未処理の部分にアルコールが触れるとシミや黒ずみが残ることがあります。
- 繰り返しの接触で、変色や跡が残る可能性があります
ワンポイント:
日常的にお手入れしておくことで水分を弾くバリアができ、アルコールの影響を軽減できます。
それでも可能な限り直接の接触は避けてください。
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